サイテスと外来生物法について
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サイテス
希少な動植物の国際取引を規制する条約として、 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 (Concention on International Trade In Endangered Species of Wild Fauna and Flora) というものがあります。条約が採択された都市の名称をとって、ワシントン条約、あるいは英語表記の頭文字を取ってCITES (サイテス) と呼ばれています。
サイテスでは規制の厳しさによってI類~III類というカテゴリー分けがされており、I類に該当する種は商業取引が全く認められていません。幸いレオパはどれにも該当せず、流通、購入する事は問題ありません。しかし一方で、レオパは外来生物法が規定する、「要注意外来生物」に指定されています。その理由や飼育する上で注意する点も知った上で飼育を始めることが必要です。
外来生物法
外来生物法 (正式名称、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律) では、生態系等に被害を与える可能性のある外来生物を3つのカテゴリーに区分して、指定しています。1つめは、飼育や輸入が原則禁止されている 「特定外来生物」、2つ目は特定外来生物のうち輸入者には環境省への届出が義務付けられてい る「未判定外来生物」、3つめが生態系に悪影響を及ぼしうるとの観点から、適切な取り扱いを求める「要注意外来生物」です。
このうち、レオパは 「要注意外来生物」 に指定されており、適切な取り扱いが求められています。その理由は、 近年、アメリカに於いて、寄生性原虫クリプトスポリジウム ( Cryptosporidium sp.) のレオパへの感染が流行しており、感染個体の輸入、レオパを介して在来爬虫類への媒介、蔓延が懸念されているからです。 しかし実態は現在のところ充分に把握されておらず、情報の集積が望まれています。
レオパそのものは、クルプトスポリジウムに感染していても、比較的長期間生存します。しかし在来種の希少種であるオビトカゲモドキはクリプトスポリジウムの感染にきわめて弱く、致死率が高いことから、レオパが野外に逸出した場合、オビトカゲモドキをはじめとした多くの在来爬虫類に深刻な影響をもたらすおそれがあるとされています。そのため、レオパの飼育時には、レオパが在来動物へクリプトスポリジウムを伝播する危険性があることに留意し、閉鎖した室内で隔離飼育するなど、充分な配慮を行い飼育することが必要です。
後の「レオパのトラブル」の項にも記載してありますが、レオパに寄生するクルプトスポリジウムは健康な人には感染しないとされています。しかし感染の予防は手洗いで可能ですので、レオパを触ったり、ケージの掃除を行った後などは充分な手洗いを心がけて下さい。