レオパ繁殖は下準備が大切
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繁殖に向けての準備
野生のレオパには年に一回繁殖期があり、冬に温度が下がった後、交尾が始まります。飼育下でも、冬季を疑似体験させることにより繁殖を誘発させることができます。このことをクーリング或いは低温処理と言います。
ブリーディング用に飼育されたレオパでは1年を通して、繁殖行動を行う個体もいますが、雄と雌の発情期を合わせ、繁殖効率をあげるために、クーリングを行います。クーリング前には、(1) 雌に産卵というエネルギーを消費する活動を乗り切るだけの栄養を蓄えさせておくことが必要です。そして (2) 繁殖行動に入るための刺激をレオパに与えます。(3) その後、雄雌のペアを同じケージに入れることにより、繁殖行動を起こさせます。
事前に栄養価を高めておく
繁殖と産卵を健康に乗り切るために、個体の栄養価を充分に高めておく必要があります。雄雌の個体ともがしっかりと太っていて、尾も十分に太く脂肪を蓄えていることを確認します。
痩せ気味の個体はなど、 栄養が偏ったり不足した状態で繁殖をしてしまうと、せっかくの卵や幼生がきちんと成長できなかったり、親のレオパも体調を崩してしまいます。健康状態が芳しくないようなら繁殖は見送りましょう。
クーリング
冬季に餌を切って屋内の常温で2カ月ほど休眠させ、その後徐々に通常の飼育温度に戻してから雌雄を同居させることにより繁殖行動が誘発されます。この操作をクーリング或いは低温処理と呼びます。クーリングの具体的な方法としては、最初に1週間、餌を与えるのをやめます。最後に与えた餌が消化されたのを確認して、次のクーリングのステップに入ります。餌はクーリングの間は与えません。ただし水入れの水は切らさないように注意しましょう。
25~30度で飼育している場合、1~2週間かけて18度程度まで温度を徐々に下げて行きます。方法としては、まず2~3日間、ヒーターを切り、その後2~3日の間ケージの置き場所を低いところにする、あるいは他の部屋に移すなどして、最終的な温度が18度前後になるように温度を下げていきます。
18度というのは厳密ではなく、20度程度でも発情しますし15度くらいまで下がっても健康を害する事はありません。こうして温度を下げたら1ヶ月程度そのままにしておきます。この間も餌を与えず、水だけを与えます。レオパは太い尾に脂肪が蓄えており、クーリング中はその脂肪を燃焼させてエネルギーとしています。レオパに「餌が少なくなった」という認識させ冬の到来を感じさせます。
その後2週間かけて、クーリングを行ったときと逆の方法で元の飼育温度に戻します。クーリングしている間、レオパの体の色はくすんだように変化しますが、温度が上昇するに従って元に戻りますので心配する必要はありません。
ペアリング
クーリングの後、雄と雌を同居させます。雄を雌のケージにいれるか、雌を雄のケージにいれるかはどちらでも構いません。春の到来を感じると次の冬までの期間に子供を成長させようと繁殖行動のスイッチが入っているため、同居させてしばらくすると、雄が発情し尾を激しく震わせて雌にアプローチしていきます。この際かなり激しく音を立てることもありますが威嚇ではありません、喧嘩になることは滅多に無いのでご安心ください。雌も発情していれば尾を持ちあげ雄を受け入れ交尾が始まります。
すぐに雄のアプローチが始まらない場合や、雌が雄に反応しない場合でも2~3日一緒にしておけば高い確率で交尾が行われます。繁殖後にどうしても雌と雄の相性が悪いようであれば、無理に同居させないほうが良い場合もあります。尚、雄1匹に対して複数の雌を同居させてもかまいません。